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介護事業の廃業・倒産事情

2020年は介護事業が苦境に立たされた年でした。

東京商工リサーチによる調査では、「老人福祉・介護事業」の休廃業・解散は455件と前年度に比べて15%も増えており、倒産は112件と過去最多を記録。

近年では少子高齢化による介護事業の需要増大を見込んで、新規参入した業者も多い状況でした。

しかし様々な業種を苦しめた新型コロナウイルス感染拡大によって、経営を維持することができない業者が増えたのが大きな原因といえるでしょう。

厚生労働省が発表した「 介護報酬改定に関する審議報告」によると、2021年4月から介護報酬は0.7%増額されることが予定されています。

(参考URL:厚生労働省 令和3年度介護報酬改定に関する審議報告 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000188370_00002.html

新型コロナウイルス感染拡大によって経営が不安定になっている介護事業者が多い中、安定した経営や働いている職員等の待遇が改善されることを見込んでいますが、果たしてうまく行くのでしょうか。

そこで今回の記事では介護事業の廃業・倒産事情を探ることによって、今後介護業界がどのように動いて行くのか見ていきたいと思います。

介護事業の廃業・倒産数は過去最高記録を更新

2020年の東京商工リサーチの調査によると、 「老人福祉・介護事業」に休廃業・解散は455件と前年度に比べて15%も増えており、倒産は112件と過去最多を記録しました。

■新型コロナウイルス感染拡大による影響も大きい介護事業

介護事業の主な収入源は高齢者のサービス利用によるものです。

しかし2020年は新型コロナウイルス感染拡大によって、感染を恐れた高齢者が介護サービスを利用することを控えるなどが目立ったため、主な収入源が断たれた形になりました。

また感染防止対策のための消毒作業や、体温管理のための新規設備の導入など様々な設備投資が必要になったため、経済的な負担が大きくのしかかる形になってしまったのも廃業・倒産数が増えた影響の一つといえるでしょう。

■コロナとは関係ない新規参入企業の経営不振も

介護事業ではサービスに関する様々なノウハウや、業務を回す人手が必要になってきます。

少子高齢化を見込んで介護事業に新規参入した企業では、こういったノウハウや業務を回す人が圧倒的に不足しており 経営不振に陥った企業も少なくありませんでした。

こういった要因を抱えながら経営を続ける新規参入企業に、新型コロナウイルス感染拡大という大きな打撃が襲ったため、余力があるうちに撤退を決める企業も増えたのが、廃業・倒産数過去最高記録を更新した一因でもあるといえるでしょう。

■新型コロナ関連支援や助成金でも経営の目処が立たないところも

新型コロナ関連における政府の支援や助成金なども積極的に行われていますが、それだけでは経営の目処が立たない介護事業者も増えつつあります。

長期でも紹介したように介護事業の主な収入源は高齢者のサービス利用によるものであり、収束の目処が立たない限り完全に立ち直るということはないでしょう。

コロナ関連の支援や助成金があったとしても、見通しが立たない経営状態では、企業も撤退することを検討せざるを得ない状況であり、苦しい状況が続くのが事実です。

■追加支援や介護報酬の内容によっては廃業・倒産が加速する恐れも

政府は2021年4月に介護報酬の改定を予定しており、約0.7%報酬を増額する予定です。(参考URL:厚生労働省 令和3年度介護報酬改定に関する審議報告 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000188370_00002.html

しかし2021年2月現在、コロナウイルスの収束は目処が立っておらず、介護事業においては苦しい状況が続くことが予測されます。

そのため追加の支援などが導入されない限り、ますます介護事業における廃業・倒産が加速する恐れがあるといってよいでしょう。

今後政府による介護事業に対する支援などが行われるか、注目する必要があります。

まとめ:今後の日本に必要不可欠な介護事業の先行き

新型コロナウイルス感染拡大に伴う様々な問題とは別に、 介護業界は以前から多くの問題を抱えているのが事実です。

・人手不足による負担増大
・最新のテクノロジーの導入が遅れている
・新規介護職員の育成

今後の日本において必要不可欠なのは間違いない介護事業ではありますが、こういった問題を解決しながら先へ進んでいく必要があります。

政府が行う新型コロナウイルス関連の支援策や、介護報酬の改訂内容などを注視しつつ、今後の介護業界が好転していくことを願いましょう。