介護業界でよく使われる専門用語

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介護業界でよく使われる専門用語

介護業界では、カタカナや英語の専門用語が飛び交っています。
日常会話で使わない言葉をはじめて耳にしたときには、外国語の言葉に聞こえるかもしれませんね。
そこで介護業界で出番の多い専門用語を取り上げ解説しました。
現場で役立つ用語ばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。

介護業界の専門職

介護業界の専門職の中から、最も関わりの多い2つの職業について、解説します。

ケアマネージャー

別名を、介護支援専門員といいます。介護認定で要支援および要介護の判定を受けた人、またその家族を対象に、介護度に合わせたサービスの紹介やアドバイスを行います。

ケアマネージャーの所属先は、居宅介護支援事業所・老健施設・地域包括支援センターの3か所です。
また老健施設専属のケアマネージャーを施設ケアマネと呼びます。

社会福祉士

福祉全般の専門的知識をもっている国家資格で、相談者のお金・暮らし・サービスすべてに助言や援助を行います。

ソーシャルワーカー

福祉の相談援助業務に就いている人の職種名です。
ソーシャルワーカーは、社会福祉士や精神保健福祉士、また資格をもたずにソーシャルワークをしている人も含みます。

介護現場での専門用語

介護現場の専門用語で、特によく使う用語を解説していきます。

ケアカンファレンス(ケースカンファレンス)

ケアマネージャー・介護士・看護師・サービス事業者などが集まり、介護者の援助内容について、意見交換や話し合いを行う会議のことです。
ケアカンファレンスは、老健施設に限らず、医療現場や介護者の自宅でも行われます。

ADL(エイディエル)

食事・排泄・歩行・睡眠など、日常生活を送るために必要な基本的動作のことをさします。
具体的には、歩く・トイレでおしりを拭く・おはしやスプーンを使う・ベッドや布団によこたわる・靴をはく・服を着るなどの、動作です。

トランス

ベッドから車いすまた車いすからベッドなど、自分の力で場所から場所へと乗り移る動作のことです。
介護現場では、トランス介助が必要になります。トランス介助とは、足腰が弱ってきた高齢者の移動を、介護者が手助けする介助のことです。

体位交換

体位とは、身体の位置のことをさします。自分の力で寝返りが打てない人に対し、身体の向きを変える介助です。

仰臥位

ぎょうがい、と読みます。天井を向いて寝る姿勢のことです。

義歯

ぎし、とよみます。入れ歯のことです。

咀嚼(そしゃく)

食べ物を、歯でかみくだく力のことです。

医療に関する専門用語

介護現場で使われる医療用語について、解説していきます。

徘徊

目的地やゴールをきめずに、ただひたすら歩き回る行為です。とくに、認知症の人にみられます。

嚥下(えんげ)

口に入れた食べ物や飲み物を、飲み込む力のことです。

誤嚥(ごえん)・誤飲(ごいん)

食べ物・飲み物・痰・唾液は、なんらかの原因により、気管に入ってしまうことです。健康な人であれば、誤嚥すればむせるまたは咳こみます。しかし高齢者は、気管をまもる反射が弱り、誤嚥していることに気づかれないケースも少なくありません。

そのため介護現場では、誤嚥や誤飲がおきていないか、十分な観察が必要になります。

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)

あやまって気管に入った食べ物・飲み物・痰・唾液が肺に入ると、肺の中で炎症をおこします。
この肺の炎症が、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)です。
高齢者に多くみられ、最悪の場合命の危険があります。

感情失禁

怒る・泣く・喜ぶといった感情が、自分の意思ではコントロールできない状態のことです。

褥瘡(じょくそう)床ずれ(とこずれ)

褥瘡は、別名床ずれといいます。
同じ姿勢で長時間過ごすことで、皮膚の赤みやただれをおこします。

白癬(はくせん)

水虫のことです。

kot(コート)

ドイツ語で、排便のことです。英語では、stool(ストール・スツール)といいます。

舌苔(ぜったい)

舌にこけのようなものが付着している状態のことです。
長期間寝たきりで歯磨きやうがいができないとおきやすい症状です。

内服管理の専門用語

高齢者は薬を飲んでいる人が多いため、介護現場では、内服介助が業務や確認が必要になります。
ただ飲むタイミングがきめられている薬もあるため、専門用語を知っておくと安心です。

一包化

複数の錠剤を、ひとつの袋にまとめることです。

緩下剤

下剤のことです。

食前薬

食事の30分前に飲む、薬のことです。

食直前薬

食事をする直前に飲む薬のことを、意味しています。

舌下錠(ぜっかじょう)

舌の下に入れて、飲む薬です。舌下錠は、かみくだかないように説明する必要があります。

医療処置の専門用語

介護現場で行う、医療処置の専門用語です。

吸引

専用の機械を使って、口の中の痰を吸い取る処置のことです。

バルンカテーテル

尿道から膀胱までつながっている、カテーテル(管)のことです。
尿は自分の意識とは関係なく、カテーテル(管)を通り、接続されたバッグの中にたまっていきます。

口腔ケア(こうくうけあ)またはマウスケア

自力で歯磨きができない人に、ガーゼやスポンジを使って口の中を清潔にする介助のことです。

ストマ(ストーマ)

お腹につくられた排泄口のことです。別名、人工肛門ともいいます。ストマには、専用の袋(パウチ)を付けます。

足浴(そくよく)またはフットケア

足だけを洗う、入浴方法のことです。足浴は足の清潔を保つだけではなく、足を温めることで全身の血液の流れがよくなり、リラックス効果や安眠効果が期待できます。

まとめ

介護業界の専門用語を、一部とりあげ解説しました。
これらの用語は、介護現場でよく使われる言葉です。
とはいえ、必ず覚える必要はありません。
ただこれから介護の仕事をはじめるのなら、ぜひメモに書きうつして持ち歩いてみてください。
きっとお役に立てる場面があると思います。