少子高齢化により、介護事業の需要がますます伸びています。
介護事業は、社会的に大きな役割を持つ、非常に重要な仕事と言えるでしょう。
やりがいのある介護に興味を持たれる方、これから未経験で介護業界へ就職・転職しようと考えている方もいらっしゃると思います。
そのような方が受講を目指す「介護職員初任者研修」をご存知でしょうか?
介護職員初任者研修は、介護業界に入るために取得を推奨されている資格です。
「介護職員初任者研修を取得すれば、介護業界で活躍できるのか。でも、自分に資格取得できるだろうか?なんだか、難しそうだな~。」
資格を取ると考えると、なんだか難しい勉強をしなればいけない気がしてきますよね。
資格試験に受かるか不安で、資格取得に二の足を踏んでしまう方もいるかもしれません。
本記事では、これから介護業界で活躍したいと考えているあなたに向けて以下のような内容をお伝えしていきます。
- 介護職員初任者研修とはなにか?
- なぜ、介護職員初任者研修が必要なのか?
- 介護職員初任者研修の難易度は高い?低い?
介護業界で活躍したいと考えている、あなたのお役に立てれば幸いです。
介護職員初任者研修とは何か?
介護職員初任者研修とは、介護業務をするための基礎を学ぶ入門講座のことです。
介護業務を未経験の方には、正に必要な仕事。
少し前までは、介護職員を目指す人が取る資格と言えば「介護ヘルパー2級資格」でした。
ですが現在、介護ヘルパー2級資格は廃止されています。
そして、介護ヘルパー2級の代わりとして作られたのが「介護職員初任者研修」なのです。
介護職員初任者研修は、スクールや学校などで受講することができます。
介護職員初任者研修を受けるためには、平均して5万~10万円ほどの受講料が必要になります。
受講する時間帯は、平日や夜間コースが用意されているので社会人や専業主婦の方も都合のよい時間で受講が可能です。
受講の最後に受ける試験に合格すると、修了資格が取得できます。
こうして、晴れて介護職員初任者研修を卒業となります。
なぜ、介護職員初任者研修が必要なのか?
介護職員初任者研修を受けることは、「安全な介護サービスの提供」と「トラブルを未然に防ぐ」という介護にとても大切な部分に関わってきます。
介護業務には大きく分けて「身体介護」と「生活介助」があります。
身体介助とは、主に以下のような介助です。
- 排泄
- 更衣(着替えなど)
- 入浴
- 車いすへの移乗
生活援助とは、主に以下のような援助です。
- 洗濯
- 料理
- ベッドメイキング
- 衣服の整理整頓
- 服の穴やほつれの補修
- 日用品の買い出し
- 通院時の薬の受け取りなど
身体介助と生活援助は、無資格でも可能です。
ですが、施設によっては資格を持っていなければ実施できない場合があります。
また、身体介助は正しく行わなければ利用者にケガを負わせる危険があります。
訴訟問題に発展するだけでなく、施設の社会的信頼を著しく失ってしまうでしょう。
そのようなトラブルを防ぎ、何より利用者の方に安心して介護サービスを受けてもらうためにも介護職員初任者研修を受ける必要があるのです。
さらに、介護職員初任者研修を修了することは、毎月の給与額にも関係してきます。
介護職員初任者研修を修了している人は、末修了の方に比べて3000~5000円の資格手当がつきます。
介護職員初任者研修を受けることは、仕事面と給料面の両方にメリットがあると言えるでしょう。
介護職員初任者研修の難易度は高い?低い?
結論から言えば、介護職員初任者研修の資格取得難易度は「低い」と言えます。
介護職員初任者研修の難易度が低い主な理由は、以下のとおりです。
- 介護の基礎を学ぶための研修
- 介護未経験者でも受けられる内容
- 専門知識を必要とするような難易度ではない
- 実技試験は、実務者研修に比べると高度で専門的なスキルは要求されない
- 試験で落ちる人は、ほとんどいない
- 仮に落ちても、再試験がある
介護未経験者の方が一番気がかりなのは、やはり「合格率」ですよね。
介護職員初任者研修は、ほとんど落ちる人はいません。
キチンと日々の研修を受けていれば、合格できる難易度となっています。
ですから、未経験の方でも必要以上に難しく考える必要はありませんよ。
もちろん、試験の難易度が低いからといって、勉強しなければ合格することはできません。
難易度が低いからと甘く考えず、しっかりと介護職員初任者研修を受けていただきたいと思います。
介護職員初任者研修の資格取得に必要な期間
介護職員初任者研修に取得には、「130時間の研修」と「修了評価(実技と筆記試験」が必要です。
スクールにもよりますが、だいたい「1.5ヶ月~4ヶ月」かかります。
また、介護職員初任者研修のカリキュラムは以下の通りです。
科目 | 学習時間 |
職務の理解 | 6時間 |
介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 |
介護の基本 | 6時間 |
介護・福祉サービスの理解と医療との連携 | 9時間 |
介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 |
老化の理解 | 6時間 |
認知症の理解 | 6時間 |
障害の理解 | 3時間 |
こころとからだの仕組みの生活技術 | 75時間 |
ふりかえり | 4時間 |
合計時間 | 130時間 |
介護職員初任者研修は、上記のとおり全10科目あります。
学習時間は各科目ごとに決まっており、合計130時間の受講が必須なのです。
研修は、「自宅でのテキスト学習」と「通学での学習」を組み合わせて行われます。
自宅でのテキスト学習では以下の内容を学びます。
- 介護職の職務内容
- 社会保障制度やサービス
- コミュニケーション技術
また、通学での学習では以下の内容を学びます。
- 講義や座学
- 介護技術(排泄介助や車いす移乗など)
とくに、通学での学習では身体を動かして学びます。
実際に活用する介護技術を学ぶことができるので、しっかりと自分のモノにしていきたいですね。
介護職員初任者研修の修了試験
介護職員初任者研修の最後には「修了試験(筆記試験)」があります。
約1時間の試験時間で、合格すると修了証が貰えます。
筆記試験では、100点満点中70点以上を取れば合格です。
筆記試験の難易度は、高くありません。
試験内容は、ほとんどはマークシートのような選択問題です。
試験時間が1時間と短いですが、今まで習ったことをキチンと学んでいれば合格できる難易度になっています。
また、万が一不合格だったとしても追試や再試験を受けることが可能です。
介護職員初任者研修を受講したほとんどの方が、試験に合格しています。
受講内容をしっかりと学んでいれば、介護職員初任者研修の資格を取得することができますよ。
まとめ
本記事の内容は以下の通りでした。
- 介護職員初任者研修とは、介護業務への入口となる研修
- 介護職員初任者研修の難易度は高くない
- 介護職員初任者研修は、130時間の学習時間が必要となる
- 介護職員初任者研修の試験は、日々の受講をキチンと受けていれば合格可能
- 万が一、試験に落ちても追試・再試験がある
ここまでお伝えしてきた通り、介護職員初任者研修の難易度は高くないことがお分かりいただけたと思います。
現在、少子高齢化が進む日本において質の高い介護が多く必要とされています。
介護業界は慢性的な人手不足で、未経験でも採用されるケースも少なくありません。
技術や経験の無さが、介護業界の離職率の高さを助長している面もあります。
今度の介護業界のため、なにより介護の道を志すあなたが正しい知識とスキルを身につけ活躍されることを願っています。
この記事を読んだあなたが、介護現場で必要とされる素晴らしい人材となられることを願っています。