介護リーダーとユニットリーダーの役割とちがいとは

キャリア・資格

介護業界には、介護リーダーとユニットリーダーという役職があります。
組織のトップが施設管理者であり、その次の役職がリーダーです。
病棟で例えれば、師長と主任の関係ですね。ではこのリーダーには、どのような役割があるのでしょうか。
ここでは、介護リーダーとユニットリーダーの役割そしてちがいについて、解説していきます。

介護リーダーの役割

介護リーダーは、またの名を介護主任といいます。では介護リーダーには、どのような役割があるのかみていきましょう。

介護リーダーとは、施設管理者と介護スタッフの間を取りもつ中間役職になります。

まず管理者は、施設の運営がメインです。つまり、介護現場のコストの削減や収益を確保するため、入居者の募集に力を入るのが管理者の役目です。その反面介護リーダーは、介護現場のスタッフや入居者に寄り添う立場になります。

介護リーダーの仕事

次に、介護リーダーの仕事をあげてみます。

スタッフのシフト作成
1日単位の職員配置人数調整
施設内研修の企画や開催
施設内環境の整備や物品の補給
スタッフの教育や指導
ケアカンファを行い、利用者さんの介護サービスの見直し
新規スタッフとの面接立ち合い
ケア記録の記載や管理
イベントの企画や開催の取り決め
利用者さんの緊急時対応
利用者さん家族への連絡や相談役

など、介護主任に任される仕事は、けっして少なくありません。しかも施設によっては、現場のスタッフと同じ業務をしながら、介護リーダー業務をこなす必要があります。

ユニットリーダーの役割

ユニットリーダーとは、ユニットケア施設で介護スタッフをまとめるリーダーです。1ユニットごとに、ユニットリーダーの配置が義務付けられています。

このユニットとは、10人以下で成り立つグループのことです。しかしあまり聞きなれないユニットケア。いったいどのような施設なのでしょうか。まずはユニットケア施設の特徴について、解説していきます。

ユニットケア介護施設移行への背景

2000年までの介護施設は、1室に4~5人の大部屋が主流でした。しかし大部屋では、入居者のプライバシーはありません。そこで厚生労働省は、2001年より、施設入居者の状況に合わせた個別ケアへの意向を提示しました。そして現在も、従来の大部屋から個室への整備意向を推奨しています。

ユニット型施設の特徴

ユニット型とは、中央にリビングスペースがあり、周囲を取り囲むように個室が並んでいます。イメージとしては、中央にエレベーターがあるビジネスホテルですね。室内にはトイレや洗面台があり、ミニキッチンが設備されている施設もあります。

1ユニットの入居者人数は、10人以下。また1ユニットに配属されるスタッフは、固定メンバーです。つまりひとつのユニットごとに小さな集落をつくり、住んでいる住民の顔ぶれやユニットに出入りするスタッフも同じ顔ぶれになっています。

ユニットリーダーの役割

ユニットケアは、介護が必要な状態であっても、入居者が望む生活の支援が目的です。そのため、介護スタッフは入居者の要望に対応する必要があります。とはいえ介護現場では、人員の不足やスタッフ能力のちがいにより、理想通りにいかないのが現実です。

しかも介護スタッフ一人ひとり、意見や考え方のちがいがあります。常に不満や不平を口にするスタッフもいるでしょう。とはいえすべての意見を受け入れていたのでは、業務はまわりません。

そこで、総合的に意見をまとめ、最終判断を下すのが、ユニットリーダーの役割になります。

ユニットリーダーが指揮をとりながら、スタッフの育成をしていくこと。これが、理想とされています。

ユニットリーダーの仕事

ユニットリーダーの仕事内容は、介護リーダーとかわりはなく、以下の内容になります。

スタッフのシフト作成
1日単位の職員配置人数調整
ユニット内研修の企画や開催
ユニット内の環境整備や物品の補給
スタッフの教育や指導
ケアカンファを行い、利用者さんの介護サービスの見直し
新規スタッフとの面接立ち合い
ケア記録の記載や管理
イベントの企画や開催の取り決め
利用者さんの緊急時対応
利用者さん家族への連絡や相談役

 

介護リーダーとユニットリーダーのちがい

介護リーダーとユニットリーダーのちがいはあるのでしょうか。2種類のリーダーを比較してみます。

介護リーダー

施設内に配置義務はない。
介護リーダーは、5年~10年介護福祉士の臨床経験者が望ましい
施設内の介護スタッフ全員が対象

ユニットリーダー

1ユニットごとに、1名のユニットリーダーの配置が義務付けられている
ユニットリーダーになるには、ユニットリーダー研修の受講を推奨されている
対象は1ユニットの固定スタッフ

となります。このように比較してみると、対象になるスタッフや入居者の数にちがいがあります。とはいえ、どちらもリーダーの役割や仕事内容にかわりはありません。

まとめ

介護リーダーとユニットリーダーの役割やちがいについて、お伝えしました。どちらのリーダーも、スタッフをたばねて指導する役職です。しかし、その役目にかかる負担は、けっして少なくありません。

出勤予定のスタッフが休めば、代役になり。スタッフから愚痴や不満を聞かされる機会もふえます。それにスタッフに指導をすれば、逆に反発されるかもしれません。上司が部下をたばねる難しさは、リーダーならではの悩みではないでしょうか。

介護リーダーは、スタッフをたばねて現場を動かせる立場にあります。大変なことも多い反面、理想の現場を作り上げることも可能です。将来介護業界でスキルアップを考えるのなら、リーダーを目指してみてはいかがでしょうか。


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